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本作は、アイヌの刀帯(エムㇱアッ)に用いられる文様の「写し」として制作した半幅帯です。
アイヌ文化に由来する文様は、単なる装飾ではなく、外敵から身を守るための「目」や「棘」を象徴する形として発達してきたといわれています。近年、環境破壊によって森と都市の境界が揺らぎ、私たちは改めて「他の動物から身を守る」という感覚を思い出さざるをえなくなっています。
この状況の中で、アイヌ文様の持つ明確な形や強いコントラストは、呪術的・象徴的な意味だけでなく、実際に野生動物への牽制といった実用性を備えていたのではないかと考えるようになりました。私はアイヌの血を引いてはいません。そのため、この文様を用いるにあたり、文化の借用にならないよう慎重に立場を確認し、制作の背景と意図を明確に語る責任があると考えています。
本作は「写し」を通じて文様の構造を学び、現代の生活文化にどのように接続しうるかを考える試みです。文様を私物化せず、出自を明示し、敬意をもって制作しました。
※本来エムㇱアッは、オヒョウやシナノキの樹皮繊維で編んだ編み物です。
Material: ラミー、ぜんまい紬3本合わせ、柿渋染めリネン、真綿紬
Techniques: 縫取織
Size: 160×3600-3800mm
Photo: Shikama Kohei
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